相続・遺言コラム
2021.09.23
相続人末広がりの恐怖
- 相続手続き
「末広がり」って縁起がいいイメージですよね。
ましてや、相続人が末広がりなんて、子孫繁栄でいいことではないか!
というのが一般的な感想です。
しかし、不動産登記における「相続人末広がり」に関しては、
ときに恐怖となってしまいます。
土地を売りたい!と思ったときにしなければならないこと
末広がりの恐怖の前に、
まずは基本的な不動産登記の流れや考え方について。
不動産登記の流れ
不動産登記は、原則、所有権が移っていった流れ通りに登記をします。
例えば、、
①亡父⇒子供に相続登記
②子供⇒買主に売買登記
となります。
①の相続登記をしないと、
「そうだ、この土地を売ろう!」と思っても②の売買登記はできません。
じゃあ相続登記したらいいやんって思いますが、
そう簡単にいかないから恐怖なんです。
相続登記をするときに必要なこと
相続登記をするには、原則、「相続人全員の同意」が必要です。
この「相続人全員の同意」がどれくらい大変なことか、
3パターンのご家庭を見ていきましょう。
パターン別 相続人の人数
ご家庭ごとの同意が必要な人数をみていきます。
①一般的なご家庭
例えば、、
お父さんが亡くなった場合、一般的には、相続人全員って
・お母さん
・子供たち3人くらい
ですよね。
この場合、お母さんと3人の子供たちの同意のもと、相続登記をしていきます。
不仲等の事情がない限り、
問題になることは殆どありません。
②末広がり初段のご家庭
例えば、、
グレーが亡くなった方です。
上から順番通り亡くなったと仮定します。
そんなに複雑な家系図ではないのに、相続人が8人になります。
この場合、相続登記をするには8人の同意が必要です。
③末広がり五段くらいのご家庭
一気に増えました。
相続人 総勢22人です。
ちょっと、くらくらしてくるレベルの相続人の数ですね。
司法書士事務所にとっては、ぎりぎり黒帯五段くらいのレベルです。
この場合、当然、相続登記をするには22人全員の同意が必要です。
しかし、何故でしょう?
何が原因でこんな急に相続人が増えるのでしょうか?
子供をたくさん産んでるから、、?
そうでしょうか?
相続人末広がりの原因
ここまで一般的⇒初段⇒五段と家系図をみていきましたが、
実はこれ、同じご家庭の30年ごとの相続人の推移なのです。
(矛盾があったらごめんなさい)
始まりは、お母さんと子供たち3人、
たった4人の相続人だったのです。
そして、60年放置した結果、相続人が22人に膨れ上がったのです。
末広がりの原因は、ずばり「時間」だった!
相続人末広がりの原因は「時間」です。
「相続人は時間の経過に比例して漸増してしまう=相続登記は時間の経過に比例して複雑になる」
のです。
「おじいちゃんが持ってたあそこの家、まだおじいちゃん名義のままなのよー。どうしようかしら。」
というのは割とよく聞く話で、これが
⇒「ひいおじいちゃんが持ってた土地」
⇒「ひいひいおじいちゃんが持ってた土地」
⇒「誰が持ってたかよくわからない土地」
となっていき、やがて「空き家問題」として
メディアに取り上げられるのです。
まとめ
相続人が末広がりになってしまうと、専門家に任せないと歯が立たないです。
そして、複雑であればあるほど費用の負担も大きくなります。
相続登記の義務化を定めた法律が2024年までに施行される予定です。
このタイミングで、相続登記をしていない土地や建物の相続登記を是非検討されてみてください。
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