相続・遺言コラム

2024.03.09

認知されていない非嫡出子は相続人になれる可能性はある?

  • 相続手続き

当然ですが、相続人でなければ亡くなった方の財産を相続することはできません。

誰が相続人になるのか?というのは法律で定められており、
これに該当しなければ相続人となることはできません。

では、認知されていない非嫡出子は相続人となることができるのでしょうか?
初めから相続人?それとも後から何らかの手段で相続人となることができるのでしょうか。

非嫡出子とは

まず、用語の説明から。
非嫡出子とは、結婚をしていない(法律上婚姻関係にないってこと)男女の間に産まれた子供のことをいいます。

子供は母親から産まれます。
なので、必然的に母親の子供であることは産まれた時点で分かります。
逆に言うと、子供は父親から産まれなので、厳密にはその子の父親が誰だか分からないということになってしまいます。
そこで民法は子供の権利を守るために「懐胎時にその母親と婚姻している男性を父親にしようではないか」としています。

結婚していない男女の間に産まれた子供を非嫡出子と呼ぶことは分かりましが、
この非嫡出子は父親が死亡した場合に相続人となることができるのでしょうか。

認知されていない非嫡出子は相続人ではない

非嫡出子には相続権がありません。
なので、父親が死亡しても相続人になることができません。
、、、終わり。
ではもちろんなくて、非嫡出子も父親の相続人になることができる手段があります。
それが認知です。
ドラマとかでもよく耳にする言葉だと思いますが、
父親が非嫡出子を認知することでその子は相続人となることができます。

ドラマとかで植え付けられてるのか、
何となく認知って、任意認知(父親が自発的に認知する)も
強制認知(子供側から「認知して!」って訴えを起こす)も方法は違えど、
いずれも父親が生きてるうちにやってるイメージがありませんか?
なので、亡くなった時点で認知されてなければ相続権はないんだろうな~。みたいな思い込みをしがちです。

認知って父親が生きている間しかできないのでしょうか。

父親の死亡後も認知の訴えができる

認知されないまま父親が亡くなっても、まだ認知される可能性があります。
それが死後認知請求訴訟です。
言葉のとおり、父親の死亡後に「認知して!」と訴えることができるんですね。

では、この死後認知請求訴訟とはどんなものなのか?要件など簡単にみていきます。

死後認知請求訴訟はいつでもできる?

死後認知の訴えの重要な点は、
父親の死亡の日から3年以内にしなければならないということです。
父親が生きているうちはいつでも認知の訴えができるのですが、
死亡後3年経過すると認知の訴えができなくなってしまいます。

死亡後あまりにも経過しすぎていると
DNA鑑定などが困難になってしまうなどの理由があるようです。

誰を訴える?

父親の生前であれば、当然父親を相手として認知の訴えをしますが、
父親はすでに亡くなっているので、訴える相手は検察になります。

管轄の裁判所

以下のどちらか選ぶことができます。
・父親の最後の住所地を管轄する裁判所
・子どもの住所地を管轄する裁判所

役所への届出が必要

死後認知の訴えが認められたら、判決の確定日から10日以内に自分で役所に届出が必要です。
裁判所から役所に自動的に連絡がいったりはしないので、注意が必要です。

届出先の役所は以下のいずれでもOKです。
・父親の本籍地の役所
・子どもの本籍地の役所
・届出人の住所地の役所

では、無事に認知されて届け出も済んだ場合、
相続関係はどのように変化するのでしょうか。

死後認知によって相続人になったらどうなる?

認知されると、嫡出子である相続人と同等の相続分が認められます。
なので、例えば父親の相続人が元々嫡出子1名のみだった場合、
嫡出子:2分の1
認知された非嫡出子:2分の1
で相続財産を分け合うことになります。

民法改正前は相続分が半分だった!?

民法改正により現在は嫡出子と非嫡出子の相続分は同等になりました。
しかし民法改正前(平成25年9月5日以前)に開始した相続については、
非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1となります。
なので、先程と同じ例で考えると
嫡出子:3分の2
認知された非嫡出子:3分の1
で相続財産を分け合うことになります。

すでに遺産分割協議が終わっていたらどうする?

死後認知の訴えが認められて無事相続人になると、
当然ながら遺産分割協議にも参加することができます

しかし死後認知の訴えが認められたときすでに遺産分割協議が終わっていた場合は、
その遺産分割協議のやり直しを求めることはできません。
この場合、相続分に応じた価格請求をすることになります

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死後認知の訴えの具体的な依頼は弁護士さんになるかと思いますが、
「へえ、そんなこともできるんだ」と興味をもってもらえたらと思いコラムにしてみました。

死後認知の訴え後の相続登記などは司法書士で対応しています。
相続でお困りの方はぜひふくおか司法書士法人へお問合せください

 

 

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