相続・遺言コラム

2024.03.11

相続登記義務化を目前に遺産分割協議がまとまっていない、、どうしたらいい?

  • 登記

「4月から相続登記義務化されるってよ、、親戚のおじさん、まだ納得してないけどどうすんのよ」
という方もいらっしゃるのではないかと思います。

義務化には罰則がつきものです。
相続登記の義務化ももちろん義務を果たさなければ罰則があります。
自分はやる気満々なのに、納得してない人がいて相続登記ができない。。
自分も罰則の対象になるの?そんな殺生な。。
と嘆いている方、ご安心ください。
そんな方のために救済手段があります。
それは相続人申告登記です。

相続人申告登記とは

相続人申告登記とは「私がこの不動産の所有者の相続人です!」
と法務局に申出(申告)しておくことで罰則などを回避できる制度のことです。
何故そんな申出をする必要があるの?どんな人が利用するの?など見ていきます。

どんな人が利用する?

相続人申告登記を利用する主な理由としては、
何等かの事情があってすぐに相続登記をすることができないです。

何等かの事情とはこんな事情でしょうか。
・相続人が多すぎて調査や書類集めに時間がかかる
・納得してない相続人がいて話し合いがまとまらない

ただ、どんな事情であれ、義務化される以上は全く無視を決め込むことは得策ではありません。
義務を果たさないと10万円以下の過料の対象になってしまうからです。
でも本格的に相続登記をしようと思ったら、相続人の調査や書類集め、
相続人同士の話し合い(遺産分割協議)などやらなければならないことが山積みです。

「やりたくてもすぐにできない、、」こんな場合に相続人申告登記をしておくことで
一先ず10万円以下の過料という罰則を回避することができます。

ではこの相続人申告登記をするにはどんな手続きが必要なのでしょうか。

必要な書類や手続きなど

まだスタートしていない制度なので、法務局のホームページなどで知り得た情報のみですが、
通常の相続登記と比較すると必要書類はかなり簡易化されているようです。

必要書類

・申出をする相続人自身が被相続人(不動産の所有者)の相続人であることを証明する戸籍謄本など

通常の相続登記をする場合、ざっとこんな書類が必要になります。
・被相続人の出生から死亡まで繋がる戸籍謄本など
・被相続人の戸籍の附票
・遺産分割をした場合は分割協議書と印鑑証明書
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・不動産を取得する相続人の住民票

比較すると、必要書類がかなり省略されているのが一目瞭然ですよね。

申告できる人

・被相続人(不動産の所有者)の相続人
相続人が複数いる場合でも単独で申出することができます。
注意点としては、申出をして登記簿に氏名住所が記載された相続人のみが義務を履行したものとみなされるため、
申出していない相続人については引き続き罰則の対象となるようです。

通常の相続登記も相続人の1人から申請することは可能ですが、
法定相続(相続人同士で話し合いをせずに法律で定められた割合で相続をする)か
遺産分割協議で相続人全員の話し合いがまとまっていることが前提です。

いつまでに申告が必要?

どちらか遅い日から3年以内に相続人申告登記が必要です。
・2024年4月1日
・自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日
相続登記の履行期間と同じですね。

登録免許税

相続人申告登記に登録免許税はかかりません
相続登記は原則として不動産価額の1000分の4を掛けた額の登録免許税がかかります。

では無事に相続人申告登記が終わったとします。
「簡単に相続人申告登記できてよかったわー。これで安心。もう何もせんでいいわー。」
というわけにはいかないので注意が必要です。

相続人申告登記後の遺産分割協議

相続人申告登記はあくまでも一時しのぎの便法だということを忘れてはいけません。
相続人申告登記後に遺産分割協議が成立した場合には、正式な相続登記の申請が必要です。

正式な相続登記は、遺産分割協議成立日から3年以内に申請が必要なのでご注意ください。
遺産分割協議が成立しない場合は特に登記申請が義務付けられることはありません。

では相続人申告登記から遺産分割協議成立後の相続登記まで一通りの流れが分かったところで、
「話し合いがまとまりそうにないし、罰則が怖いから今すぐにでも相続人申告登記をしておこう!」
思われている方、ちょっと待って!
それは得策ではないかもしれません。

焦って相続人申告登記しようとしてる方、ちょっと待った!

先にも説明しましたが、相続人申告登記をしてもその後遺産分割協議が成立するとその成立日から3年以内に相続登記の申請が必要です。
ということはつまり、2回申請が必要になります。
①相続人申告登記
②相続登記

簡易化されて登録免許税がかからないとはいえ、
可能であれば申請は1回で終わらせたいですよね。

なので、遺産分割協議が履行期間内(相続開始又は2024年4月1日の遅い日から3年以内)にまとまりそうであれば、
相続人申告登記をせずに履行期間内に通常通りの相続登記だけやってしまえばいいんです。
きちんと専門家に依頼すれば、どれだけ揉めて調停などになったとしも
3年以上かかるということはあまりないケースだと思うので、慌てて相続人申告登記をする必要はないのです。

そこの判断も含めてぜひ相続の専門家であるふくおか司法書士法人へご相談ください

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