相続・遺言コラム

2021.11.24

登記をしようと思ったら売主が亡くなってしまったら

  • 登記

所有権移転をしようとしたところ、
当事者(売主)が亡くなってしまった。

そんなタイミングで亡くなってしまうことなんてあるの?
と思われるかもしれませんが、
登記しようと思ったら買主さん・売主さんの一方が亡くなってしまった
ということが、実際あります。

事例

分かりやすいように事例を設定します。

買主:四国さん
売主:九州さん

九州さんから四国さんに土地を売りました。
売買代金は支払い済です

しかし、登記申請をする前に九州さんが亡くなってしまいました。
九州さんの相続人は福岡さん、宮崎さんの2人です。

所有権はいつ売主から買主に移転するの?

民法の考え方としては、「売買契約締結時点」で売主から買主に所有権が移転します。(民法555条)
つまり、代金の支払いを待たずに買主のものになるということです。
けど、それって売主にとってかなりリスクが高いですよね。

だって、お金をもらってないのに、売買契約を結んだ時点で所有権が買主に移転するのです。
自分が売主だったら、こんな取引には応じられません。
そこで、一般的に不動産の売買契約では、特約によって所有権が移転する時期を
「売買代金支払い時」にしているのです。

売買代金を支払っているかどうかがポイント

所有権が移転する時期が「売買代金支払い時」なので、
売主が亡くなったのが売買代金支払い「前」なのか「後」なのかで必要な手続きが変わってきます。

売買代金支払いの場合 売主(九州さん)相続人を義務者としてそのまま所有権移転登記が可能
売買代金支払いの場合 ①売主(九州さん)の相続登記+②所有権移転登記が必要

売買代金支払い後の場合

売買代金支払い後に売主が亡くなった場合、所有権は既に買主である四国さんに移っています。
この場合、相続登記は不要です。
四国さん+九州さんの相続人全員(福岡さん、宮崎さん)での登記申請が可能です。

売買代金支払い前の場合

売買代金を支払っていない場合、所有権はまだ売主である九州さんにあります。
しかし、九州さんが死亡しても売買契約自体は有効なので、
一旦相続登記をした後に、相続人から買主四国さんに所有権移転をする必要があります。
①九州さんの相続登記
②相続人⇒四国さんに売買登記

まとめ

今回の事例は、売買代金を支払い済だったので、
相続登記は不要、相続人全員を義務者として売買登記をすることになります。
しかし、相続登記は不要ですが、相続人を確定させるための戸籍などの提出は必要です。

相続登記が必要かどうかで費用や時間がかなり違います。
お困りの際は、是非一度専門家にご相談ください。

 

相続・遺言問題でお悩みの方に
正確で確かな「解決力」を

相続・遺言手続センター福岡は相続問題をワンストップで解決する相続・遺言の専門家集団です。
相続には期限や法的判断の難しい手続きも多く、専門的な知識が必要とする場合があります。相続・遺言の専門家に相談することで大切な資産を守ることにも繋がりますので、早めの対策が望ましいです。

  • 遺産相続に関する手続きを一括して任せたい
  • 土地や建物の名義変更の手続きをしてほしい
  • 相続手続き、何から始めたらいいのか分からない
  • 終活として遺言書を作成したい

など、相続問題は置かれている状況に応じて様々。相談者ごとに、一番最適なプランで問題解決に当たります。
私たちは相続・遺言の専門家として、相続問題にお困りのご家族に寄り添い、今後安心した生活を送れるようサポートします。

事務所案内

初回相談費用無料