相続・遺言コラム

2022.11.01

認知症の方の登記申請について

  • 登記

 認知症の方の登記申請について

登記申請の世界では、認知症について誤解されていることがいくつかあります。
例えば「認知症になったら絶対に不動産売却(登記申請)できない」とか、
「認知症になったら相続登記できない」とかです。

まず、誤解を恐れずに結論を書くと【認知症=直ちに絶対に登記申請できない】
というわけではありません。
また、相続登記であればその分け方によっては認知症の方でも問題なく登記申請ができます。

詳しく見ていきます。

「認知症=NG」の誤解

この誤解をしている方が多いのは、恐らく認知症で登記できませんよと司法書士に断られたといった伝聞や
一先ずインターネットを検索してみて「何だか厳しそうだな」という感触からきているものだと思います。

確かに、認知症の方が不動産の売却などの登記申請に関わるのは結構厳しいです。
しかし、認知症であるということをもって直ちに登記申請できませんよ。
というわけではありません。

なぜなら、一言で認知症と言ってもその症状や程度は人それぞれです。
①24時間全く意思疎通が図れない方 もいらっしゃれば、
②意思疎通を図るのが難しい日もあるけど、調子がいい時は普通に話ができる
という方もいらっしゃいます。

①と②って同じ認知症でも状況は全く違いますよね。
なので、それを一括りにして皆さんでめですよ。
という結論にはならいなのです。

司法書士の意思確認

じゃあどうやって判断するのか?というと、
司法書士が実際にお会いしてみて、判断することになります。
施設に入られている方であればケアマネさんの話を聞いたり、
一緒に生活されている親族の方の話を聞いたり、
さらに場合によっては医師の診断書をもらったりする司法書士もいます。

なぜこんなことをするかというと、
司法書士は依頼があった場合、本人確認や意思確認をする義務があるからです。
例えば不動産を売りたいと思っている売主さんに対しては、
物件が間違いないか?売却の意思はあるのか?そもそのその人は所有者本人であるか?等の確認をします。
これは当然、不動産を売却するということをきちんと理解していることが前提となるので、
認知症の方でそこを理解されていないかな、、と判断した場合、
登記申請をお断りさせていただくことはあります。

しかし前にもお伝えしたとおり、
認知症であっても、調子がいい日にはきちんと取引を理解されて意思表示をしていただけることもあります。
その場合は、認知症だからだめです。という結論には必ずしもなりません。

なので、最近ちょっとやばいかもしれないな、、
くらいであれば、一度司法書士に相談してみるというのも1つの選択肢だと思います。

相続登記について

次に、認知症の方が不動産を相続した場合についてです。
これも誤解があるようですが、認知症=後見人つけないと相続登記できないと思われている方がいらっしゃいます。
しかし、相続登記であっても、法定相続分で登記する場合など、法定相続分を下回らない割合で相続登記をするのであれば、
相続登記申請も可能です。

例えば父が亡くなって相続人が
母(認知症)、兄、弟の3人の場合、
母の法定相続分は2分の1です。
この法定相続どおりに登記申請するのであれば問題ありません。

相続登記後の注意点

先の例で法定相続分で共有になっている不動産を売却したい場合には注意が必要です。
認知症の母が共有者になっているため、この不動産を売却したいと思ったら、
母の本人確認や意思確認を司法書士がします。

相続登記はできたけど結局この売却時に意思確認NGとなってしまうと、
そこから成年後見の申し立てをして、場合によっては不動産売却に関する家庭裁判所の許可をとって、、
などの手続きが必要になります。
だったら最初から成年後見人をつけて遺産分割協議をして母を共有名義から外したほうが
その後の売却がスムーズだったな、、となってしまいます。

なので、不動産をその後売却したいと考えている場合は、
その後の売却まで視野にいれて相続登記も慎重に進める必要があります。

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