相続・遺言コラム

2024.05.08

不動産の共有者の1人が死亡している抵当権の抹消について

  • 登記

抵当権抹消は割と簡単な手続きだと思われがちで、
ご自身でチャレンジされたことがある方もいるかと思います。

単純な抵当権抹消だけだったら、確かにご自身でやってできないことはないと思うので、
お時間がある方はチャレンジされてみてもいいかもしれません。

しかし抵当権抹消には様々な罠が隠されています。
住所が変わっていたとか、権利証失くしたとか、
抵当権を設定した業者(金融機関など)がもう存在しないとか、、
そんな抵当権抹消時の罠?というか「あら?これどうしたらいいんだろう、、」
と少し迷ってしまった事例を今日は1つご紹介します。

共有者の1人が死亡している

早速事例をご紹介します。
マルコとタマエは土地を持分2分の1の割合で所有していました。
(これを共有していると言います)
一緒に駄菓子屋をやるために、ハナワくんからお金を借りてこの土地に抵当権を設定しました。
3年後、駄菓子屋の経営は順調で、ハナワくんから借りていたお金を全て返済しました。
このときすぐに抵当権の抹消をしたらよかったのですが、
忙しさにかまけて手続きを忘れていました。

そんなある日、マルコが亡くなりました。
タマエは悲しみに明け暮れてながら書類の整理をしていると、
ハナワくんにお金を全て返済したときにもらった書類が出てきました。
本来であれば、この書類を使って抵当権を抹消していなければいけませんでした。
「そうだ、抵当権を抹消しないといけなかったんだ、、けど、マルちゃんはもういなくなってしまったし、どうしたらいいんだろう、、」
とタマエは困ってしまいました。

抵当権の抹消は1人でもできる

登記申請は原則、所有者全員の関与によってする必要があります。
例えば2人で共有している土地を売却する場合には、
2人とも登記申請人として印鑑証明などの提出が必要になります。

しかし保存行為と言われる手続きについては、
共有者の1人からでもすることができます
例えば法定相続登記であれば2人の相続人がいたとしても、
そのうち1人からの申請で相続登記をすることができます。

そして抵当権抹消もこの保存行為として、
共有者の1人から登記申請をすることができるのです。
具体的にどうなるかというと、

抵当権抹消の申請人は
権利者:タマエ
義務者:ハナワ
となり、共有者であるマルコの関与は不要ということになります。
(申請書にはマルコの名前も記載しますが、関与は不要です)

しかし、共有者の関与は不要とは言っても、
マルコが亡くなっている場合もその事実を全く無視して抵当権の抹消登記ができるのでしょうか。

共有者が亡くなっている場合、相続登記は必要?

土地の所有者が亡くなった場合、相続登記が必要です。
しかし、抵当権抹消の前提として相続登記が必要か?と言われると、
相続登記をしなくても抵当権の抹消はできます

なぜなら、抵当権の抹消は保存行為として共有者の1人からでき、
共有者が亡くなっていても、例外ではないからです。

なので、今回はマルコの相続登記をせずに
タマエだけの関与で抵当権の抹消をすることができます。

所有者が亡くなっていた場合の金融機関の対応

抵当権を抹消する場合、金融機関から解除証書や権利書をもらう必要があります。
その場合に、金融機関によっては「所有者に渡さないといけないから相続登記をしてもらわないと書類を渡せない」
と言われることがあります。

今回のように共有している不動産であれば生きているタマエが受け取れば問題ないのでしょうが、
所有者がマルコのみの場合、金融機関側から「相続登記して」と言われる可能性があるようです。

共有者の1人が住所移転していた場合は?

因みにですが、共有者の1人が亡くなったわけではないけど、
住所が変わっている場合に、住所変更登記が必要か?というと、
これも不要です。

例えばマルコが登記簿上の住所と現在の住所が違う場合でも、
保存行為としてタマエのみの関与で抵当権を抹消する場合は、
マルコの住所変更登記は不要です。

相続登記も住所変更登記も義務になりました

抵当権抹消の前提として、登記申請に関与しない共有者の相続登記や住所変更登記は不要ですが、
令和6年4月1日より、相続登記は義務化されており、
住所変更登記も令和8年4月1日より義務化される予定です。
なので、どちらも然るべき期間内に登記申請をする必要はありますのでご注意ください

登記のことならふくおか司法書士法人へ

今回は共有者が死亡していた場合の抵当権抹消についてご紹介しました。
抵当権抹消は簡単なようで複雑な問題が隠れていることも割とあります。
「自分でやろうと思ったけどよく分からないな、、」
など、登記のことでお困りの方はふくおか司法書士法人へご相談ください

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