解決事例

2022.01.31

遺産分割協議におけるシュミレーションの勧め。小規模宅地等の特例

  • 相続登記
  • 遺産分割協議

相談者Aさん、Bさん 被相続人 母

共同相続人 子のAさん、Bさん。 父は数年前に他界しており、本件はご家族にとって二次相続です。

母の財産は相続税の基礎控除を超える金額のため、相続税申告が必要でした。

 

概要

Bさんは父と母(被相続人)と長年同居していました。その関係で、父が他界した際、自宅は母が相続。自宅横の土地に関してはBさんが相続しました。

一次相続で父の財産を相続しなかったAさんは、今回の相続で母が所有していた自宅の相続を希望されました。

ここでポイントになるのが【小規模宅地等の特例】です。

この特例を利用できる。できない。は、相続税の納税額を大きく左右します。

Bさんが自宅を相続した場合、この特例を利用できます。しかし、希望通りAさんが相続した場合は、残念ながらこの特例を利用することできず、納付額が大幅に増額します。(この特例については後程、ざっくりご説明します。)

納税額が増えてもAさんの希望通りすすめるのか、それともBさんがご実家を相続し、Aさんに不利益が生じないように他の財産で調整するのか。

結局、AさんBさんが選ばれたのは、当初の予定通り、Aさんが自宅を相続するというものでした。

特例の利用について

小規模宅地等の特例とは、被相続人の不動産について、条件を満たした親族が相続することで「相続税評価額を最大で8割引」してくれる制度のことです。

ただし、適用要件が複雑なため、相続が発生する前に適用要件を満たしているかどうかしっかり確認する必要があります。

本件の場合、Bさんは被相続人の同居家族ということで、特例の適用要件を満たしています。しかし、Aさんは適用要件を満たさないため、不動産の評価額の8割引きの適用を受けることができませんでした。

 

解決までの道のり

納税額を抑えることだけを考えるべきかどうか?

遺産分割協議はご自身の資産を左右する重要な場面です。それを踏まえ、税理士がいろんなパターンで納税額のシュミレーションを算出し、複数回ご提案致しました。

相続税の申告は、被相続人が亡くなって10か月以内という期限があります。本件も期限ぎりぎりまで調整を進め、相続人全員が納得 できる形で遺産分割協議書を取り交わすことが出来ました。

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