相続・遺言コラム
2021.08.19
相続放棄は誰がするのか?
- 相続手続き
突然ですが質問です。
「相続放棄」ってご存知ですか?
そうです、お昼の情報番組とかでたまにやってるあれです。よく揉めてるやつです。
借金を相続したくないときに、司法書士とかにお願いして家庭裁判所に言ったらいいんでしょ。
ってやつです。
では、もう一つ質問です。
誰が相続放棄しなければならいかご存知ですか?
「・・・。」
実は、自分だけが放棄しとけば大丈夫!ってわけにもいかないのです。
そんなつもりはなかったのに、自分が相続放棄したことで大好きなおばあちゃんに借金が・・・
なんてことにならないように、このコラムを参考にしていただければと思います。
相続の順位
まずは相続の順位の確認です。
常に相続人になる人:配偶者(民法890条)
第1順位:子(民法887条)
第2順位:直系尊属※(最も親等の近い者)(民法889条)
第3順位:兄弟姉妹(民法889条)
※直系尊属(ちょっけいそんぞく)とは、父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母など、直接の祖先の系列に当たる人のことです。
相続放棄をすると、どんどん次の順位の人に相続権が移ります。
例)子がいない夫婦は親に という具合です。
なので、前提としてまず、上記の相続の順位を把握しておく必要があります。
大丈夫ですか?
順位はしっかり頭に入りましたか??
ではここからは一緒に家系図を作成しながら読んでみてください(^^♪
たとえば、サザエさんの遺産について考えてみましょう。
サザエさんが亡くなった時点で、マスオさんは既に亡くなっている
タラちゃんは、相続放棄をした
この場合の相続人は・・・
第2順位の・・・
そうです!波平とフネです!
では、
第2順位の波平とフネも相続放棄した
この場合の相続人は・・・
第3順位の・・・
カツオとワカメ!
楽勝!
ちょっと待って!
本当にカツオとワカメでしょうか??
相続人はどんどん上に上っていく
「カツオとワカメ!!」と答えを出す前に、
波平とフネの両親はご健在ではないのか?という確認が必要です。
なぜなら最初に説明した「相続の順位」のとおり、
第2順位は「直系尊属(ちょっけいそんぞく)=父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母など、直接の祖先の系列に当たる人」だからです。
今回の場合、
父母=波平とフネ
父母がいなかったら、
祖父=波平とフネのご両親
となります。
なので、波平とフネの両親がご健在ならば、カツオとワカメではなく
「最も親等の近い直系尊属」である波平とフネのご両親が相続人になります。
直系尊属全員が亡くなっている又は相続放棄をして初めて兄弟姉妹に相続権が移るのです。
え、下(タラちゃんの子供)にはいかないの?
察しのよい方は、疑問に感じたと思います。
「タラちゃんが相続放棄したときに、タラちゃんの子供(サザエさんの孫)に相続権が移るんじゃないの?」
答えは・・・
タラちゃんの子供には、相続権は移りません。
なぜなら、第1順位は「子」(民法887条)だからです。
孫でも曾孫でもそれらを総称した直系卑属でもなく「子」なのです。
だから、
タラちゃんより下に相続権が移る心配はありません。
まとめ
相続放棄すると、上(直系尊属)にはどんどん上っていくが、下(孫、曾孫など)には下りない。
子 ⇒ 父母、祖父母、曽祖父母など上の人全員 ⇒ 兄弟姉妹
の順で相続放棄が必要ですので、ご注意ください。
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