相続・遺言コラム
2023.09.13
相続は亡くなった順番がカギを握っている
- 相続手続き
残りの人生で、あとどれだけのミステリー小説を読めるだろうか、、
と本屋に行くたびに焦燥感に駆られてしまいまうくらいミステリー小説にはまってます。
手に取る割合は年々増えていき、今ではミステリー小説8:その他ジャンル2くらいです。
とりあえず殺人事件がおきないと満足しません。
そんなミステリー小説の中でよく取り上げられるテーマが遺産争い故の殺人です。
この場合に動機となるのが「自分の取り分を増やしたい」です。
そこで、登場する探偵やら警察が
「いや、太郎さん(夫)が先に亡くなっているから、奥さん(花子)が正一さん(義父)を殺害する動機にはなりませんよ」
みたいな台詞を口にすることがあります。
この台詞、結構さらっと流れていったりするのですが、
「先に亡くなってるから殺害動機にならない」ん??
これって一体どういうことなのでしょうか。
妻は亡くなった順番によって相続財産をもらえるかどうか際どい立場になることがよくある
ミステリー小説では、殆どの場合複数人が死亡します。
そしてこの死亡する順番によって、妻は相続財産がもらえるかどうか際どい立場になることが割とよくあります。
何故かというと、こういうことなんです。
例
正一は莫大な財産を遺して何者かに殺害されました。
子は太郎と次郎で、太郎の妻花子がいます。
一般的にはこの状況だと、太郎と次郎が1/2ずつ財産を相続します。
ところが、この太郎も死亡している場合はどうでしょうか。
太郎がもらうはずだった1/2の財産は一体誰のものになるのでしょうか。
ここで先程の探偵の台詞をおさらいします。
「いや、太郎さん(夫)が先に亡くなっているから、奥さんが正一さん(義父)を殺害する動機にはなりませんよ」
この探偵は何が言いたいかというと、
太郎が正一より先に亡くなってる場合は、奥さん(花子)は正一の財産を相続できないから、
奥さん(花子)は正一を殺してもメリットないよね=正一を殺害する動機はないよね。
ってことです。
何故かというと、先に相続人である太郎が亡くなっている場合、
代襲相続という相続制度が適用されるからです。
代襲相続が適用されると妻はどうなる?
代襲相続とは、被相続人(正一)が亡くなったとき、既に相続人(太郎)が亡くなっていたというパターンです。
この代襲相続が発生している場合に相続人になれるのは
①死亡した相続人(太郎)の子や孫
②兄弟姉妹が相続人の場合、被相続人より先に亡くなった兄弟姉妹の子
②は今回のケースに該当しないので置いておいて、
①の場合に注目してみます。
正一より先に太郎が亡くなっている場合、
代襲相続が発生しますが、妻である花子は太郎の子ではないので相続人となることができません。
なので、正一の財産は全て次郎が相続することになります。
一般的に考えると、この状況で花子が正一を殺害するメリットはありません。
なので、太郎が先に亡くなっている場合、
花子が正一を殺害する動機はないから犯人である可能性は極めて低いという台詞が飛び出すのです。
因みにこれが逆だと、花子は一気に第一候補躍り出ることになります。
正一⇒太郎の順で亡くなると、太郎が相続するはずだった正一の財産は花子のものになるからです。
これを数次相続と言います。
詳しくはこちらのコラムをご参考にされてください。
まあ、因みにの因みにですが、
花子が犯人の場合は欠格事由に該当するのでどっちにしてもばれたら相続財産は1円ももらえません。
相続欠格についてはこちらのコラムをご覧ください。
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